「すき焼き通の日」だから、すき焼きについて極めたい!
2023/10/11 00:00
毎年10月15日は「すき焼き通の日」。それにちなんで、すき焼きのツウになりませんか。今週もベイシアから旬のおいしい話題をお届けします。
「すき焼き通の日」は、2008年に『すき焼き通』という本が刊行されたことをきっかけに、すき焼き愛好家で結成された「すきや連」が誕生した日です。すきや連は「すき焼きを味わいながら日本の食文化を語り合う」という趣旨の元に、フードジャーナリストを中心にすき焼き名店の経営者や料理人、生産者などが活動している会だそうです。
さて、今では国内のみならず海外でもポピュラーな日本料理「すき焼き」。そもそもなぜ、すき焼きと呼ばれるようになったのでしょうか。その語源には諸説あるようです。たとえば「肉を鋤(すき:農具の一種)の上で焼くから」「杉の薄板に挟んで焼いた’杉焼き’から」「魚肉のすき身を焼く’すき身焼き’から」などの説があります。
ところで、すき焼きは東西で調理法が違い、関東は煮込み式で、関西は焼肉式です。関東は明治時代に登場した「牛鍋」が発展してすき焼きになったため、煮込み料理が基本となっています。かつて「牛鍋」と呼ばれていた料理が「すき焼き」に転じたのは大正時代以降だとか。
一方、関西のすき焼きの歴史は古く、もともとあった「魚すき」が原型で、魚を肉に換えたものとされています。江戸時代には魚すきに加えて鶏肉や鴨肉のすき焼きについての記述も残されています。のちに関西風の牛肉すき焼きの調理法が考案されたのは明治時代のことだそうです。
東西の料理文化が歴史とともに変化を遂げるなか、関東と関西それぞれのすき焼きが確立されていったというわけです。
身近でありながら、ちょっと贅沢感のあるすき焼き。その成り立ちや歴史を知って、さらにおいしく味わいたいですね。
参考:
記念日協会ウェブサイト
『すき焼き通』向笠千恵子(平凡社新書)
『たべもの起源事典』岡田哲(ちくま学芸文庫)
牛や清ウェブサイト