おでんに入っている「ちくわぶ」の正体とは?
2024/11/27 00:00
北風が身にしみるシーズンがやってきました。今週もベイシアから旬のおいしい話題をお届けします。 寒い日に食べたい料理として思い浮かぶのは「おでん」。熱々のおでんの中から好みの具材を食べるのは、冬にふさわしい楽しみの一つですね。 さて、おでんの具としておなじみの「ちくわぶ」ですが、じつは東京周辺のローカル食だとご存知でしょうか。その発祥は、大正時代に関西の「生麩」の製造法を元に作られた、あるいは江戸時代にはすでに存在していた、など諸説あります。形は「竹輪(ちくわ)」、作り方や食感は「生麩」ということから「ちくわぶ」となったようです。 ちくわぶは、グルテンを含む強力粉(小麦粉)と水、塩を合わせて、よく練り上げたものをちくわのように穴が空いた型に入れて加熱したものです。 ちなみに「麩」は、小麦粉から取り出したグルテンに小麦粉を混ぜて形成。これを焼いたものを「焼き麩」、グルテンにもち粉を加えて形成し、茹でたり蒸したりしたものを「生麩」と呼びます。 ちくわぶは、食べ応えのあるモチモチとした食感が好き、という方がいる一方、よく煮込んでトロトロになる寸前が好き、という方もいるようです。ただし、あまり煮すぎるとおでんの汁が濁ってしまうので注意が必要です。 さて、ちくわぶを使った料理といえば何と言ってもおでんですが、そのほかにはどんな楽しみ方があるのでしょうか。 ちくわぶは煮込むだけでなく、揚げてもOK。唐揚げ粉をつけてカリッと揚げたら、スナック感覚で食べられます。カレー粉をまぶすとビールによく合う一品に仕上がります。 ちくわぶをバター醤油で焼くのもススメ。醤油の香りが食欲をそそり、ちくわぶのモチモチした食感を存分に楽しめます。 そのほかにも、サラダやグラタン、炒め物や煮物など、おでん以外の料理にも使えるちくわぶ。食材としての可能性はまだまだ広がりそうです。 参考: 紀文「おでん教室」 川口屋ホームページ 小山製作所「お麩のお話」
世界中で食べられている「牡蠣」にはどんな種類があるの?
2024/11/20 00:00
いよいよ風が冷たくなってきて、鍋料理がおいしい季節の到来ですね。今週もベイシアから旬のおいしい話題をお届けします。 寒くなるとともに食べたくなる鍋料理の一つに、牡蠣(かき)鍋があります。「牡蠣の土手鍋」といえば、広島の郷土料理。味付けした味噌を土鍋のふちに塗りつけ、野菜などの具材とともに牡蠣を煮込み、味噌の土手を崩しながら味わうものです。近年では味噌に限らず、さまざまな味付けの牡蠣鍋が家庭や飲食店で食べられています。 さて、日本ではおなじみの牡蠣ですが、実は各国で食べられている食材であり、牡蠣のシーズンを待ちわびている人たちが世界中にいます。英語圏の国では「牡蠣を食べるならRの付く月」とも言われ、9月~4月が牡蠣のおいしい時期とされてきました。ちなみにこれは「マガキ」に関して言われてきたことで、「イワガキ」の場合は6月~8月頃に旬を迎えます。 牡蠣の種類は世界中で約200種類以上あると言われ、日本周辺でも約20種類が生息しています。食用の牡蠣は「品種」「産地」「養殖方法」などで分類されます。では、世界で食べられている牡蠣には、どんな種類があるのでしょう。 世界でもっとも流通しているのは、日本でもおなじみのマガキ。通称「ジャパニーズ・オイスター」とも呼ばれ、じつは日本の牡蠣を元に各地で品種改良されたものです。また、小ぶりで丸い貝の熊本産品種「クマモト」は、今ではアメリカで多く生産されているそうです。 そのほか、ヨーロッパの牡蠣といえば、「ブロン」。平たく、丸みのある貝殻で、フランスのブロン河口付近の海域で採れたものだけがこの名称を使うことができます。オーストラリアの「シドニー・ロック・オイスター」は、カップ状の小ぶりな貝で、小さいながらも濃厚でクリーミーな味わいが特徴の牡蠣です。 日本生まれの牡蠣が世界各国で育まれ、各国の人たちが舌鼓を打っているこの季節。私たちも国産の牡蠣を存分に楽しみたいものです。 参考: 「わが国の水産業 かき」日本水産資源保護協会 「うちの郷土料理」農林水産省
辛いのは唐辛子だけじゃない?「辛味」の種類と攻略法
2024/11/13 00:00
立冬も過ぎて、冷たい風が吹く日もあり、いよいよ冬支度が必要になってきました。今週もベイシアから旬のおいしい話題をお届けします。 季節が変わって旬の味わいも移り変わる中、「一年中いつでも辛い料理が食べたい!」という激辛ファンも多いようです。ところで、「辛味」にも種類があることをご存知でしょうか。 「五味」と呼ばれる味の種類は「甘味」「酸味」「苦味」「鹹味(しおからさ)」「辛味」。この中で4つの味は味覚神経で感じるのに対し、辛味だけは痛覚や温度覚で感じるのだそうです。つまり、正確には「味」というより「痛み」や「熱さ」に近いものと言えましょう。 刺激的な「辛味」を持つ食材には、唐辛子、胡椒、山椒、生姜、にんにく、わさび、からし、大根、玉ねぎなどがあります。これらの辛味は、食材によって「ホット系」「シャープ系」に分けられます。 「ホット系」は、口の中が熱くなるような味わいで、唐辛子、胡椒、山椒がこれにあたります。さらに黒胡椒や、中華料理で使う花椒は、痺れるような感覚の刺激を感じることも。 「シャープ系」は、鼻の奥がツーンとするような味わいで、にんにく、わさび、からし、大根、玉ねぎなど。すりおろしたり、練ったり叩いたりすると辛味が増します。そして生姜は両者の中間にあたります。 人によっては、「ホット系が好き」「シャープ系なら食べられる」など得意な辛味・苦手な辛味があるということも。苦手な辛味を口にすると、食事を楽しむどころではなくなることもありますね。そこで、それぞれの辛味を抑える食材を知っておくといいでしょう。 ホット系の場合は、ヨーグルトや牛乳、アイスクリーム、バナナ、マヨネーズが効果的。シャープ系の辛さは、辛味感が持続しないので水やお茶で抑えることができます。 辛さの種類と攻略法を知って、いろいろな「辛味」を体験してみてはいかが? 参考: 「健康管理情報」日本成人病予防協会 「スパイスカレー研究室〈SPAICECURRYLAB〉」
肌寒い日にはきりたんぽ鍋を囲んで、ほっこりしませんか?
2024/11/06 00:00
11月に入ると、季節が秋から冬へ徐々に変わっていくのを感じますね。今週もベイシアから旬のおいしい話題をお届けします。 朝夕に冷え込む季節になりました。肌寒い日には、心もからだも温まる鍋料理を食べたくなりませんか。そんな時、北国・秋田県の郷土料理である「きりたんぽ鍋」はいかがでしょう。 「きりたんぽ」とは、炊きたてのご飯を粒が残る程度につぶし、秋田杉の棒に巻きつけて焼き上げたものです。「たんぽ」は短い穂のことで、串に刺して焼いた様子がガマの穂に似ていることから名付けられたそうです。これを鍋に入る長さに切っているため「きりたんぽ」と呼ばれるようになりました。 きりたんぽ鍋は、炭焼きや伐採のために山ごもりをした人々が残りご飯を潰して焼いたものを鳥鍋に入れたことが始まりとされています。秋田県の北部では、新米の収穫が終わった時や、来客へのもてなし、冠婚葬祭の際にきりたんぽ鍋がふるまわれます。 きりたんぽ鍋は、鶏ガラだしに鶏肉、ごぼう、きのこなどを入れて醤油で味付け、さらに、棒から外したきりたんぽ、長ねぎ、せりを加えて出来上がり。あっさりとした味わいですが、お米で作ったきりたんぽで食べ応えが感じられます。きりたんぽは長時間煮ると煮崩れてしまうので、火が通ったら早めに引き上げて、熱々をいただきます。 また、きりたんぽは鍋に入れるだけでなく、甘辛い味噌を塗って炙って食べる「みそたんぽ」という食べ方もあります。みそたんぽは、おやつにもオススメ。オーブントースターやグリルを使えば家庭でも手軽に作ることができます。 これからの季節には、北国の知恵と味わいが詰まった、きりたんぽ鍋でほっこり温まるのもいいですね。 参考: 「うちの郷土料理」農林水産省