いよいよ風が冷たくなってきて、鍋料理がおいしい季節の到来ですね。今週もベイシアから旬のおいしい話題をお届けします。

寒くなるとともに食べたくなる鍋料理の一つに、牡蠣(かき)鍋があります。「牡蠣の土手鍋」といえば、広島の郷土料理。味付けした味噌を土鍋のふちに塗りつけ、野菜などの具材とともに牡蠣を煮込み、味噌の土手を崩しながら味わうものです。近年では味噌に限らず、さまざまな味付けの牡蠣鍋が家庭や飲食店で食べられています。

さて、日本ではおなじみの牡蠣ですが、実は各国で食べられている食材であり、牡蠣のシーズンを待ちわびている人たちが世界中にいます。英語圏の国では「牡蠣を食べるならRの付く月」とも言われ、9月~4月が牡蠣のおいしい時期とされてきました。ちなみにこれは「マガキ」に関して言われてきたことで、「イワガキ」の場合は6月~8月頃に旬を迎えます。
牡蠣の種類は世界中で約200種類以上あると言われ、日本周辺でも約20種類が生息しています。食用の牡蠣は「品種」「産地」「養殖方法」などで分類されます。では、世界で食べられている牡蠣には、どんな種類があるのでしょう。
世界でもっとも流通しているのは、日本でもおなじみのマガキ。通称「ジャパニーズ・オイスター」とも呼ばれ、じつは日本の牡蠣を元に各地で品種改良されたものです。また、小ぶりで丸い貝の熊本産品種「クマモト」は、今ではアメリカで多く生産されているそうです。
そのほか、ヨーロッパの牡蠣といえば、「ブロン」。平たく、丸みのある貝殻で、フランスのブロン河口付近の海域で採れたものだけがこの名称を使うことができます。オーストラリアの「シドニー・ロック・オイスター」は、カップ状の小ぶりな貝で、小さいながらも濃厚でクリーミーな味わいが特徴の牡蠣です。
日本生まれの牡蠣が世界各国で育まれ、各国の人たちが舌鼓を打っているこの季節。私たちも国産の牡蠣を存分に楽しみたいものです。
参考:
「わが国の水産業 かき」日本水産資源保護協会
「うちの郷土料理」農林水産省