節分の日にまいているのは、何の豆でしょう?
2025/01/29 00:00
1月もあとわずか、もう少しで2月ですね。春はすぐそこにやってきています。今週もベイシアから旬のおいしい話題をお届けします。 2025年の立春は2月3日。その前日に当たる2月2日が節分の日になります。節分の日というと例年では2月3日ですが、実はこの日付は固定ではないのです。そもそも1年は厳密にいうと365.2422日で、365日との差を調整するために閏年(うるうどし)があります。ところが、春分や秋分といった二十四節気のこよみでは、さらにズレが生じてくるので、その年によって日付が変わる場合がある、というわけです。 節分とは各季節が始まる前の日のこと。中でも立春は1年の始まりとされていたこともあり、その前日の節分はとくに大切にされてきました。 さて、節分には豆をまきますね。豆は米と同じく日本人にとってエネルギー源であり、霊力を持つと言われ、病や災い(つまり鬼)をはらうとされています。そして、節分にその豆を食べることで力を得られると考えられてきました。 ところで、節分の豆まきには、どんな豆を使っているでしょうか? 関東地方のほとんどの地域では大豆が一般的ですが、北海道や東北では落花生を使うとか。落花生が特産の千葉県、宮崎県、鹿児島県でも落花生が使われるそうです。さらに近年では、大豆や落花生以外の豆をまく家庭も増えているようです。子どもたちには、味付きの豆や、ナッツ類と混ぜたもの、可愛らしい小袋に入った豆が人気だそうです。 節分には豆まきをするだけでなく、「年の数だけ豆を食べて健康を祈願する」という風習があるので、好みに合わせて、おいしく食べられる豆を選ぶといいでしょう。 参考: 「節分の日に豆をまくのは、どうしてですか。」農林水産省 「こよみ用語解説」国立天文台 「節分に用いる豆の種類について」但元煎豆本店 「ちょこっとサイエンス」千葉市科学館
山菜の王様「たらの芽」で、ひと足早く春の味わいを楽しむ
2025/01/22 00:00
こよみの上ではもうすぐ春を迎えるこの時期、季節に先駆けて「春の旬」を楽しむのもいいですね。今週もベイシアから旬のおいしい話題をお届けします。 今の時期、早春の味を感じさせる食材といえば山菜です。日本人は昔から自然に親しみ、自生する植物を食材として生活に取り入れてきました。なかでも日本の風土に根付いた山菜は、現在も季節を告げる食材として、また体に良い自然食品として私たちの暮らしを彩っています。 日本には多種多様な山菜が生育しており、食べられる山菜は300種近くにもなるそうです。その中で‘山菜の王様’と呼ばれるのが「たらの芽」です。 たらの芽とは、タラノキという落葉樹の新芽のことです。適度にほろ苦い味わいと、油脂やたんぱく質といった栄養素を豊富に含むことから、‘山菜の王様’と呼ばれるようになったとか。春先に少しほろ苦い山菜を食べることで、冬の寒い時期に体に溜め込んだ不要なものをデトックスできるとも言われています。 天ぷら、おひたし、和え物や炒め物、パスタなど、さまざまな料理で楽しめるのも、たらの芽の大きな魅力です。さっと茹でて、マヨネーズをつけて食べるだけでもおいしくいただけます。味噌マヨネーズなどディップを少し工夫することで、おもてなしの一品にも。 木の芽類は、火がすぐに通ってしまうので茹で過ぎないことがポイント。食感と香りを残すために、炒め物など、調理で加熱する際には下ゆで不要です。 たらの芽をはじめ、出回り始めた山菜を食卓に取り入れて、春の味わいを先取りしてみませんか。 参考: 「おいしい山形」おいしい山形推進機構 「たらの芽」JAグループ群馬 「滋賀のおいしいコレクション」滋賀県農政水産部みらいの農業振興課 「山菜のすすめ」林野庁経営課特用林産対策室 「大正製薬ナビ」大正製薬
真冬の今が旬!「ちぢみほうれん草」をおいしく味わう
2025/01/15 00:00
もうすぐ大寒(だいかん)。一年中でもっとも寒い季節が到来します。今週もベイシアから旬のおいしい話題をお届けします。 2025年の大寒は、1月20日から2月2日まで。寒さが厳しいこの時期には、さまざまな葉物野菜が旬を迎えます。その中で、近年注目されているのが「ちぢみほうれん草」です。 緑黄色野菜の中でも栄養価が高いほうれん草は、一年中手に入りますが、冬には甘みが増しておいしくなります。冬のほうれん草の中でもとくに甘くておいしいのが「ちぢみほうれん草」。日光に多く当たるように地面に張り付くように葉を広げ、一枚一枚の葉が縮れた状態に育ちます。厳冬期の寒さに当てて育てることで甘味がぐんと増し、その糖度はトマトや果物並みだそうです。 ちぢみほうれん草は、その甘みを生かしたシンプルな調理方法がオススメです。おひたしやナムル、マヨネーズ和えなど、ちぢみほうれん草を茹でて調味料で味付けするだけで、おいしさを十分に味わうことができます。 さらにオススメは、ちぢみほうれん草と長ネギのチヂミ。ちぢみほうれん草はさっと茹で、長ネギ、桜エビとともにチヂミの生地に混ぜます。チヂミの生地は、市販の粉を使えばカンタンです。あとはごま油でカリッと焼き上げるだけ。タレをつけて食べたり、焼肉やキムチなどと一緒に食べるのもいいですね。 ちぢみほうれん草は、地面に接して育つので、縮んでいる葉や根元に土が入っている場合があります。調理する前に、十分に振り洗いをしてから使いましょう。また、ちぢみほうれん草はえぐみが少ないものですが、アクが気になる場合には、レンジで加熱してから水にさらし、しっかり水気を切ってから使います。 真冬の時期に出回る、ちぢみほうれん草。旬の時期だからこそ味わうことができるおいしさを食卓に取り入れてはいかがでしょう。 参考: aff「もっと知りたい葉物野菜」農林水産省 「岩手生まれ・寒締めほうれん草とねぎのチヂミ」農林水産省 「ちぢみほうれん草の食べ方」農事組合法人船橋農産物供給センター
新しい年のスタートに食べたい、おめでたい「出世魚」
2025/01/08 00:00
新年を迎えて一週間。ふだんの暮らしをあらたまった気持ちで始めた方も多いのでは。今週もベイシアから旬のおいしい話題をお届けします。 そろそろお正月気分も抜けて日常生活に戻る頃ですね。1年のスタートに縁起のいいおせち料理で開運を願った人も多いことでしょう。ところで、縁起のいい食べ物として知られているものの一つに「出世魚」があります。 「出世魚」とは、成長とともに呼び名が変わる魚のことです。同じ魚でありながら名前が変わる「出世魚」が縁起物とされるようになったのは江戸時代のようです。当時は元服を迎えると、幼名から大人の名前に変わるという習わしがありました。また、社会的に高い地位や身分を得た時にも、その地位に合った名前に改名することが、縁起が良いとされていました。こうした慣習から、成長するごとに名前を変える魚を「出世魚」として、縁起の良いものとするようになったようです。 「出世魚」の代表的な魚といえば、ブリ。地域によって呼び名は異なりますが、関東地方では稚魚から大きくなるに従って「モジャコ→ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ」と変化します。また、スズキも出世魚として知られています。その名前は、「コッパ→セイゴ→フッコ→スズキ」(関東地方)と変わります。さらに、高級食材カラスミの母体であるボラも出世魚。「オボコ→イナッコ(スバシリ)→ボラ→トド」(関東地方)と変化します。ちなみに、この「トド」は慣用句「とどのつまり」の語源だと言われています。このほか、サワラ、クロダイも出世魚です。 一方、成長するにつれて名前が変わるのに出世魚と呼ばれない魚もいます。それは、カンパチ、マグロ、イサキ、マイワシなど。出世魚と呼ばれるには、名前の変化だけでなく、姿かたちや味わいなどの価値も成長するに従って上がっていくことが大切なようです。 年のはじめに、出世魚を食べて縁起のいいスタートを切ってはいかがでしょう。 参考: FISHING JAPAN(2023/10/07) デリッシュキッチン(2022/05/27)
七草がゆは、今こそ食べたいヘルシーメニュー
2025/01/04 00:00
2025年が明けました。お正月の三が日には、どんなお料理を食べて過ごしましたか。今週もベイシアから旬のおいしい話題をお届けします。 年末から年始にかけて、家族や友達と食を楽しむ機会も多かったことでしょう。そんな毎日にひと区切りつけるのが七草がゆです。 日本人は古来、人日の節句である1月7日に七草がゆを食べてきました。節句とは、1年に5回ある季節の節目。人日の節句は一年で最初の節句で、人を大切にする日とされてきました。 七草がゆは、一年の初めに食べることで「無病息災」「長寿健康」を願うとされていますが、それだけではありません。冬の時期に不足しがちな青菜を摂るため、さらに、ごちそうを食べて疲れた胃腸をいたわるため、という説もあるようです。 七草とは、「せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」の7種類の野菜や野草。「すずな」はカブ、「すずしろ」は大根のことを指します。ちなみにこれは春の七草で、秋の七草もありますが、こちらは食べずに鑑賞するだけです。 春の七草にはそれぞれ効能があるだけでなく、その名前には意味が込められています。「せり」は競り勝つ、「なずな」は撫でることでけがれを取り除く、「ごぎょう」は仏の体、「はこべら」は繁栄がはびこる、「ほとけのざ」は仏の安座、「すずな」は神を呼ぶ鈴、「すずしろ」はけがれのない清白、という意味があるそうです。 七草がゆの作り方は、粘り気を洗い流したご飯でおかゆを炊き、さっと茹でた七草を加えて塩で調味するだけ。おかゆはレトルトを使えばもっと簡単に作ることができます。 素材を生かして作る七草がゆは、まさにヘルシーメニューと言える健康的な一品です。お正月気分に一区切りをつけるためにも、1月7日に七草がゆを食べてリフレッシュしてはいかがでしょう。 参考: 「七草がゆとは」農林水産省 「七草粥を食べる理由とは?」京都調理専門学校 「春と秋の七草」長居植物園