梅雨に入って雨の日続きですが、店頭にはすでに夏に旬を迎える食材が並びはじめています。今週もベイシアから旬のおいしい話題をお届けします。

夏に食べたくなる野菜といえば、とうもろこしですね。「とうもろこし」という日本名は、中国から渡来したモロコシという植物によく似ていたことから名付けられました。「とう(唐)」は外国から伝えられたもの、という意味です。

とうもろこしの原産地はメキシコやボリビアなど中南米付近、起源は今から5,500年~7,500年前と言われています。
とうもろこしが世界に広まったのは、15世紀に探検家のクリストファー・コロンブスがアメリカ大陸からスペインに持ち帰ったことがきっかけとされています。記録によると、コロンブスがキューバに上陸した際に現地の人がとうもろこしを栽培していたとのこと。この頃すでにアメリカ大陸では広い範囲で栽培されていたようです。
コロンブスが持ち帰ると、とうもろこしはスペインをはじめ西ヨーロッパ諸国、北アフリカ、中近東に広まって、さらに16世紀には全ヨーロッパにとうもろこしの栽培が広がりました。一方で、海路あるいは陸路でインド、中近東、中国などアジアにも伝わっていきました。つまり、コロンブスのアメリカ大陸発見をきっかけにとうもろこしが全世界に広まったというわけです。
そして、1579年にはポルトガル人から長崎および四国に伝わったとうもろこし。当時のとうもろこしはフリントコーンと呼ばれる粒が硬いものでした。
現在おなじみの甘くて柔らかいスイートコーンが日本で栽培・流通されるようになったのは明治時代初期のこと。第二次大戦後には、より甘いスーパースイート種が登場し、とうもろこしは、子どもにも大人にも親しまれる野菜になりました。茹でたてのとうもろこしを頬張りながら、その歴史に想いを馳せるのも楽しいですね。
参考:『消費者の部屋』農林水産省、『トウモロコシノセカイ』