潜入!あの商品のおいしさに迫る!~オーロラサーモン(R)の産地 ノルウェーを訪ねて~
2023/12/22 00:00
当社で販売するこだわりの商品の“生産の現場”に伺ってレポートする「潜入!あの商品のおいしさに迫る!」。今回はお子様からお年寄りまで大人気の「オーロラサーモン(R)」を、商品開発者の私がノルウェーで直接取材!美味しさの秘密や生産のこだわりを、目利きの視点でたっぷり伺ってきました。 ●なぜノルウェーでサーモン? サーモンは日本に限らず、世界中でとても人気ですが、近年では寿司ブームを背景にして、その人気は益々上がっています。世界中で人気のサーモンですが、実は世界で一番サーモンを養殖しているのはノルウェーです。いったいなぜノルウェーが世界一なのでしょうか。 ノルウェーは面積38.5万平方メートル、人口約540万人と、日本と同じくらいの面積に埼玉県や千葉県より住んでいる人が少ないです。国土の大部分を山がしめており、海岸線は氷河により形成された複雑な湾、入り江を持つフィヨルドです。また、日本と比較して緯度も高いため、冬の時期が長く寒冷です。このような環境が実は、サーモンの養殖には非常に適しています。入り組んだ地形ながら穏やかな海であり、サーモンに適した冷たい海水温を持つノルウェーの自然環境と、国や企業のさまざまな努力でサーモン養殖は発展してきました。 今回はそのようなノルウェーサーモンの中でも、さらにこだわりを持つ「オーロラサーモン(R)」について、ノルウェーのベルゲンに本社がある世界有数の水産会社「LEROY (レロイ)」さまの各施設に伺ってきました。 ●雪景色のオーロラサーモン(R)海面養殖場 オーロラサーモン(R)は数あるノルウェーの養殖場の中でも、北緯約70度より北の北極圏で育てられているサーモンです。オーロラの名前は実際にオーロラが見える地域で養殖されていることから名付けられました。(先ほどの写真は今回宿泊した北極圏の都市トロムソで実際に見ることができたオーロラです!) 私たちは船に乗り、海面養殖場を見学しました。養殖ゲージ1つの大きさは円周約160メートル、深さ最大約50メートルで、1つの養殖場にゲージは8~12個集まっています。その大きさと規模に驚かされますが、レロイオーロラ社はこのような養殖場を26か所保有しています。 訪問したのは10月下旬でしたが雪が降っており、とても寒い中でもサーモンは元気に水面から跳ね上がっていました。北極圏のため、ノルウェーの中でもさらに気温も海水温も低く、他のノルウェーの養殖場と比較して3カ月程度成長に時間がかかりますが、ゆっくりと成長することで、脂の乗った最高のサーモンに成長します。 ●人にも自然環境にも優しい養殖 養殖場を見渡しても付近に人がいる様子はありません。サーモンには毎日エサをあげる必要があるのに、どのようにエサを与えているのでしょうか。 実は、養殖場とは離れた場所で遠隔管理をしています。私たちは「レロイオーロラ エサやり管理センター」を訪問しました。施設内は、複数モニターが並び、モニターには海中の様子や数値データなどが表示されています。おしゃれな北欧家具に囲まれた雰囲気も相まって、魚を育てているとは思えない近代的なオフィスです。こちらではオーロラサーモンの複数養殖場をカメラや自動給餌機等を活用し一括管理しています。 サーモン養殖にはエサが最重要です。エサの管理で病気の予防、脂乗り、身の色まで調整することができます。そしてエサの開発は年々進歩し、より効率的にサーモン養殖ができるように進化しています。しかし、サーモンは生き物、品質は一定ではありません。そのため、こちらの施設のように一か所で管理し共有することで、知識・経験・情報を効率よく獲得し、より良いサーモン養殖を実現しています。 養殖現地ではなく、遠隔管理するメリットは他にもあります。養殖場に行くためには船を使用しますが、それは危険も伴います。そして船を使用するとCO2が排出されます。また、養殖場に船で近づくとサーモンにストレスを与えます。養殖現地に行かないことは、従業員にも、自然環境にも、そしてサーモンにも良いことなのです。 ●オーロラサーモン(R)は加工にもこだわりあり 皆さんご存じだと思いますが、サーモン丸々1匹がそのまま売場に並ぶことはほとんどありません。つまりどこかで加工をしてから皆さんの食卓に並んでいます。続いて私たちは「レロイオーロラ加工場」を訪問しました。こちらの工場は先ほどの養殖場もあるトロムソ圏内の水産業の中心地シャルベイにあります。年間でサーモンを7万トン以上という大量の加工をしている工場です。サーモン1匹の状態から3枚卸の状態での箱詰めまでに、1.5~2時間という速さで、高鮮度で生産しています。 その速さの秘密は大部分を機械化、システム化し効率的な作業をしているからです。工場内を見学すると、非常に大きな工場に対して人が少ないことに気付きます。ただ、多くのことを機械化していても、人が全くいないわけではありません。品質に関わることは人の目を通してチェックしています。美味しく安全なオーロラサーモン(R)の秘密は、機械化した効率的な作業と、人の目のチェックの両立から成り立っています。 ●未来を見据えたオーロラサーモン(R)養殖 オーロラサーモン(R)のこだわりをお伝えしてきましたが、レロイ社は未来のための取り組みも様々実施しています。例えば、エサやり管理センターでは、サーモンの寄生虫をカメラとレーザー、AIを活用して除去する最新鋭のシステムを試験導入していました。また、加工場で、品質チェックは人の目で行っているとお伝えしましたが、従業員の負担減少や自然環境負荷を考慮しながら、AI化も検討しています。 未来のためには、従業員の働きやすさも重要です。危険な作業を排除するのはもちろん、加工場等では、従業員が立場に関係なく意見を出し合い、日々のミーティングを通してより効率的に、お互いが働きやすい環境づくりを全員で作り出しています。私たちも社内シェフが調理してくれた美味しいサーモンを社員の方と味わいながら、ディスカッションさせていただき、レロイ社で働く雰囲気の一端を体感することができました。 そして、自然環境保護の考えは非常に勉強になりました。地球温暖化はCO2排出量の増加が主原因とされていますが、レロイ社はエサを作る際の排出量も確認しています。また、包材を運ぶ際の排出量を考慮し、加工場で包材も作っています。さらに、サーモンを配送する際は現在氷を使用していますが、より環境負荷の少ないドライアイスへの変更も試験導入しています。これらのように、さまざまな面で自然環境保護の考えに根差した取り組みをしています。 遠い未来も見据えて、人にも自然環境にもより良いサーモン養殖の実現を目指しています。 ●オーロラサーモン(R)をぜひ味わってください オーロラサーモン(R)について、いろいろ紹介させていただきましたが、皆さんに美味しく味わっていただくことも、もちろん重要です。美味しく育て、安全に加工したオーロラサーモン(R)は和食、洋食限らずどんなジャンルにも合い、パーティーの主役にもなれば、ちょっとしたおつまみにもなる、豊富な料理バリエーションがあります。ベイシア各店ではお刺身やお寿司等で、毎日販売しています。まだ味わったことが無い方はぜひ一度食べていただければと思います。一度味わえば、あなたもきっとオーロラサーモン(R)のファンになるはずです。
潜入!あの商品のおいしさに迫る! ~豊かな自然が広がる五島列島の生産者の皆さん~
2023/11/07 00:00
当社で販売するこだわりの商品の“生産の現場”に伺ってレポートする「潜入!あの商品のおいしさに迫る!」。今回は長崎県の五島列島を訪ね、ブリおよびマグロの養殖に密着した様子をお届けします。 ●五島で漁業を営む三代目の生産者さん 今回お話を伺ったのは、長崎県南松浦郡新上五島町で養殖ブリ、養殖マグロを育てる生産者の皆さん。 4人全員が祖父の代から続く養殖業を引き継いだ3代目の漁師さん。お互いがライバルである一方、魚の病気の対策など小さいことからこまめに情報交換をして協力をしています。 (左から有限会社順洋の山下さん、有限会社勝栄水産の安藤さん、株式会社宝生水産の山下さん、株式会社徳丸の大坪さん) ●いざ、五島列島へ! 新上五島町へは長崎港から船に乗って約1時間半。 取材の日は波が穏やかで、船の窓には秋晴れの空と島々、そして水平線が続いていました。 ●五島という環境 新上五島町は元々、リアス式海岸を活かした定置養殖が行われており、それが養殖業に発展していったそうです。 昔から漁業が盛んな理由は2つあります。 一つ目は潮流です。入り組んだ地形により潮の流れが速くなることで、魚の運動量も豊富になります。運動をすることで魚が筋肉質になっていき、身が引き締まった適度に脂が乗った魚に育ちます。また、常に新鮮な海水がもたらされるので、魚が病気になりにくいそうです。 二つ目は水温です。魚は水温帯で成長が変わっていきます。新上五島町の水温は、低いときは14℃、高いときは28℃で、年間を通して安定しているため、「魚に一番適した水温」なんだそうです。 五島は魚の成長に最適な環境で、だから健康的な魚が育つのですね。 ●“3日後”に一番おいしい養殖ブリ 一番のこだわりは「エサ」で、「自分たちが食べる物よりこだわっています。」と大坪さん。月に1回のカメラによる身体測定で、肥満度・体重・長さを計測し、今のエサの量が適正なのか、また10~2月を水揚げのピークにできるように、毎日エサの調整を行っています。 ところで、魚も野菜と同じで、獲れたての方が新鮮でおいしいイメージがありませんか?実は、五島の養殖ブリはお店に並ぶまでを考えて「3~4日目」に魚の甘味が一番出るように、脱血やしめ方にこだわって出荷しています。魚の甘味で食べられるから関東の醤油はしょっぱくて、逆に九州の醤油は甘いんだとか。「3日後にいい魚かどうかわかる」と生産者の皆さん全員が頷いていました。 ●迫力満点!養殖マグロの水揚げの現場 朝7時、養殖マグロの水揚げの現場に立ち会わせていただきました。生け簀の中には500匹の養殖マグロが元気に泳いでおり、エサで水面におびき寄せ1匹ずつ釣りあげます。4人がかりで養殖マグロをおさえ、素早く血抜き・内蔵除去を行って冷水に入れます。ここで養殖マグロが暴れてしまうと身が崩れてしまい、鮮度も劣化してしまいます。1匹1匹丁寧にスピーディーに処理を行うことが重要で、生産者の皆さんの熟練の技が光りました。 その日水揚げした養殖マグロは、1匹45~55kgくらいの重量。大きくなりすぎると病気のリスクが上がってしまうそう。養殖ブリと同じく、出荷時期や目標の大きさに合わせてエサの調整などにより成長をコントロールしているのです。 ●「とりあえず食べてみんね」 魚から伝わる五島の魅力 「とにかくいい魚をつくる。いい魚をつくればそれが欲しい人も増えるだろう」と山下さん。3代続いてきた技術を活かしながら、自分たちも新しく勉強してそれを掛け合わせ、これからもいい魚をつくりたいとおっしゃっていました。また、「若者が減っている島なので、魚を通して島の活性化につなげられたら」と安藤さん。自分たちの代からも繋いでいけるように、五島の良さを伝えていきたいと熱い想いを語ってくださいました。生産者の皆さんの想いが詰まった、豊かな自然で育った養殖ブリ・養殖マグロを、ぜひご賞味ください! ■商品情報 <商品名> ざぁまによかブリ(養殖ブリ) ざぁまによか本まぐろ(養殖生本まぐろ) <販売期間> 11~2月の期間中(不定期販売) <取り扱い店舗> 全店(津田沼ビート店・新座店・ベイシアマートを除く)
潜入!あの商品のおいしさに迫る! ~今が旬!さんま&生秋鮭の産地を訪ねて~
2023/10/19 00:00
当社で販売するこだわりの商品の“生産の現場”に伺ってレポートする「潜入!あの商品のおいしさに迫る!」。今回は、まさに今が旬!秋の二大味覚「さんま」と「生秋鮭」の水揚げの様子を取材。鮮度の良い魚がお店に届くまでのこだわりを紹介します。 ●秋の味覚「さんま」 秋と言えば「さんま」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。今回は、産地の一つである根室市に伺いました。取材に伺った9月下旬は、朝晩涼しく感じられる気候となり、より秋の訪れを感じられる一日でした。 ●さんまがお店に届くまで さんま漁は長い船旅から始まります。漁港から漁場まで、漁船で片道40時間ほど。一度の漁で1週間ほどの期間を要することもあります。さんまは明るいところに集まる習性があるため、漁船にはたくさんのライトが付いていて、網にかかったさんまが逃げないように、ライトを点けたまま漁港へ戻ってくるのだそうです。 なんと、取材日は今季一番の豊漁!セリ場では、次々と水揚げされたさんまが700kgほども入るコンテナに詰められ、何台も並んでいました。セリに参加する業者の方は、実際に自分の目で魚の状態を見て、どれを競り落とすかを日々考えているのです。熟練の技が光りますね。 入札されたさんまは隣接する加工場で箱詰めされ、陸路・海路で24時間ほどかけて関東へ届きます。そこから各店舗へ配送されて私達の手元に届くのです。漁の始まりからお店に届くまで、想像以上に長旅であることに驚きました。 ●ベイシアの新しいチャレンジ「さんまの無選別」 今年、ベイシアが新たに取り組むのが「さんまの無選別」での販売です。さんまは漁獲量の減少により年々価格が高騰していたり、サイズが小さくなっていたりというイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。そのような状況の中でも、“皆さんに秋のおいしい旬を味わってもらいたい!”というバイヤーの想いから、チャレンジすることになりました。 通常であればコンテナから選別機にかけてサイズ別に梱包していく工程を、コンテナから直接梱包作業に入ることで時間短縮にもなり、より鮮度の高い状態を保ったまま店舗へ届けることができます。サイズの違いはあってもおいしさはお墨付き!店頭で見かけたら、ぜひお手にとってみてくださいね。 ●もう一つの秋の味覚「生秋鮭」 そして、さんまと並んでこの時期におすすめなのが「生秋鮭」。長くても8月末から10月までの約2ヶ月間しか水揚げのない、本当に“今しか味わえない”秋の味覚なんです。今回は、産地の一つである紋別市へお邪魔しました。 ●そもそも鮭ってどんな魚? 普段何気なく呼んでいる「鮭」ですが、様々な種類があることはご存知ですか?たとえば「秋鮭」「銀鮭」「紅鮭」「時鮭」。「紅鮭」は身の味がしっかりしていて旨味が強く、ほどよい脂のりがあります。「銀鮭」は一番脂がのっていて、やわらかくふっくらとしています。 そして秋冬に水揚げされる「秋鮭」と春から初夏にかけて水揚げされる「時鮭」は、実はどちらも同じ「白鮭」。水揚げのタイミングにより呼び名が変わっているのです。秋鮭は産卵期の前で卵をたくさん蓄えているので脂が少なく、さっぱりとした味わいが特徴です。また、オスのお腹には白子、メスには筋子やいくらが詰まっていて、どちらも秋が旬の時期。身だけではなく卵までもしっかり味わえます。 また、食用ではないヒレやいくらの皮は化粧品の成分になったり、頭はエサになったりと、鮭はどこも余すこと無く使える魚なんです。 ●スピーディーな水揚げから丁寧な選別作業へ 朝6時前から続々と漁船が港へ帰ってきます。網で引き上げたら、選別用の台へ降ろし、漁師さんたちの手によって一尾ずつ丁寧に選別していきます。私達が普段店頭で目にする切り身になるもののほか、贈答用など用途に合わせて分けていきます。 漁港から車で約10分のところにある加工場では、漁港から近い利点を活かし水揚げされた生秋鮭を、新鮮な状態のままスピーディーに加工することができます。こちらでも、皆さんの丁寧な手作業が目に留まりました。鮭のお腹から、いくらや白子を出す「腹出し」と呼ばれる作業をしたら、機械洗浄をしたのち、内蔵部が残らないよう再度人の手で丁寧に洗浄していきます。少しでも鮮度良く、おいしく食べてもらいたい。そんな想いが作業に表れていました。 ●おいしい食べ方 定番のバタームニエルもおすすめですが、鮮魚バイヤーの一押しは「ちゃんちゃん焼き」。秋鮭自体がさっぱりとした味わいだからこそ、よく味がしみこんでとても美味しく仕上がります。そのほか、いつものお鍋や煮込み料理で召し上がっていただくのもおすすめです。 ●鮮魚バイヤーからのコメント 秋鮭やさんまと言えば、この時期になるとやはり食べたくなる秋の味覚の代表です。秋鮭は鍋やフライ、ホイル焼きなど、どんな調理方法にも相性抜群なので、是非いろいろなお料理で食べてください。さんまに関しては近年、漁獲量の激減に伴い、価格も高騰していることで昔のような庶民の味から高級魚になりつつあります。そのような厳しい状況下でもなるべくお買い求めやすく提供するために調達を続けることが私の使命だと思い、産地の皆様とともに取り組んでいます。そんな想いの詰まったベイシアのさんまを是非ご賞味ください。
潜入!あの商品のおいしさに迫る! ~こだわりの宮崎県産 すくすく鰻の生産現場を訪ねて~
2023/07/21 00:00
当社で販売するこだわりの商品の“生産の現場”に伺ってレポートする「潜入!あの商品のおいしさに迫る!」。今回は『Beisia Premium』の「宮崎県産 すくすく鰻®」の生産から加工、焼き、タレの美味しさをそれぞれ取材。すくすく鰻®がお店に届くまでのこだわりを紹介します。前半は、鰻の養殖に密着した様子をお届けします ●鰻の養殖家さん まずは宮崎県にある、すくすく鰻®の生産者のお一人である「高政養鰻」の髙木 宏展(たかぎ ひろのぶ)さんにお話を伺いました。先代であるお父さんから引き継いだ二代目で、養鰻に携わって25年。現在は従業員7名で鰻の養殖をされています。 取材に伺った日は、梅雨の合間の快晴。とっても暑い中、鰻の養殖について詳しく教えていただきました。 ●“すくすく”育った鰻 日本一養殖うなぎの生産量が多い鹿児島では100坪で約3万尾を養殖する場合もあるのに対し、高政養鰻さんは広大な土地を活かした大きな池が特徴で、200坪で約4~5万尾を養殖しています。こうすることで、鰻が広い池の中でゆっくりのびのびと泳ぐことができ、鰻が「すくすく」育ちます。これが「すくすく鰻®」の名前の由来です。 また、すくすく鰻®は生育期間を1年未満の鰻に限定しています。生育期間の短い鰻は、皮が薄く身が柔らかいため、良質な脂のりを味わうことができます。 うなぎの養殖は稚魚の「シラスウナギ」を購入するところから始まります。体重0.15~0.2gの細くて小さな稚魚は、出荷時には1,000~1,200倍にまで成長します。鰻の成長や仕上がりに直結するエサにもこだわり、試行錯誤の結果「美味しい鰻だったね」という声が一番多かったエサを選定。エサやりは、毎日朝の5時半頃から合計19の池それぞれに約80kgもの量を配る大変な作業です。エサの量は一定ではなく、池の水の匂いや鰻の様子を見て調整。与えすぎるとすぐに体調が悪くなってしまうため、長年の経験で培われた観察眼で絶妙なバランスを見極めています。 ●少しでも自然環境に近づけるために 鰻を育てる池にも、たくさんのこだわりが詰まっていました。 本来鰻が生息している環境に少しでも近くなるよう、池の底は山土や割石を積み上げて作っており、その石の隙間が微生物の棲み家となり、池の水をきれいにする役割を担ってくれています。 また、多くの水車で池の水に酸素をたっぷり取り込んだり、水を循環して使用するために沈殿物などを取り除く濾過装置が付いていたりと、おいしい鰻を育てるための工夫が随所に施されていました。 ●「美味しい」と思うものを世の中へ 一番のやりがいは「『髙木さんの鰻が一番美味しい』と言ってもらえたとき」とうれしそうにお話してくださった髙木さん。鰻のおいしさと養殖の効率を考えてバランスを取ることが、難しくもやりがいがあると仰っていました。 特に水の管理には細心の注意を払っているそうで、稚魚の育成時期は夜中でも2~3時間に1回の見回りが必要なため、養鰻場の敷地内に住んで鰻とともに生活をしています。水が少しでも悪くなると鰻はエサを食べなくなり成長に影響が出てしまうため、夜中であっても水を総入れ替えすることもあるそうです。 どれだけ大変でも、「鰻を育てる本人が“おいしい”と思うものを世に出したい」と熱い想いを語ってくださいました。 後半では、鰻の焼きやタレの美味しさに密着!こちらもぜひご覧ください。
潜入!あの商品のおいしさに迫る! ~こだわりの宮崎県産 すくすく鰻の加工現場を訪ねて~
2023/07/21 00:00
当社で販売するこだわりの商品の“生産の現場”に伺ってレポートする「潜入!あの商品のおいしさに迫る!」。今回は『Beisia Premium』の「宮崎県産 すくすく鰻®」の生産から加工、焼き、タレの美味しさをそれぞれ取材。すくすく鰻®がお店に届くまでのこだわりを紹介します。後半は、鰻の加工・焼きに密着した様子をお届けします。 ●素材のおいしさを活かす「焼き」 続いて伺ったのは、鹿児島県にある「山田水産」さん。こちらでは、鰻の加工と焼きを行っていただいています。工場の外からでも分かる、おいしそうな蒲焼の香りにつられながら、お話がとても上手な濱岡 宏吉(はまおか ひろよし)さん、増田 洋亮(ますだ ようすけ)さんにご説明いただきました。 ●おいしく焼くための大事な下準備 高政養鰻から届いた鰻を地下70mから汲み上げた地下水のかけ流しにさらし続けます。地下水をかけ流すことで体内・体表を綺麗にして身を引き締めてから捌きます。関東向けに「背開き」、関西向けに「頭付き腹開き」、九州向けに「頭付き背開き」と食文化によって捌き方があるようです。氷締めした活け鰻を1尾ずつ丁寧にかつ素早く捌きます。熟練した職人さんは、1分間に5尾も捌いていてびっくり!身を傷つけずに手早く綺麗に捌く様は、まさにプロの技でした。 その後、「線入れ」いう作業で大きな骨を小さく裁断したり、腹部に隠し包丁を入れていきます。この工程で腹部が広がり火も通りやすくなって、見た目も綺麗に焼き上がるそうです。 ●“鰻専門店で食べる味”をめざして いよいよ鰻を焼く工程に入ります。カメラが曇ってしまうほどの熱気です。蒲焼を作る焼きラインは70mもあり、35分で鰻が焼き上がります。 まずは皮目から焼き、次に身を焼きます。ガス火と炭火を併用して焼き込むのですが、じっくり焼いてしっかり白焼にするのがおいしい蒲焼をつくるポイントだと説明いただきました。白焼工程で表面に出てきた余分な脂をシャワーのように水を吹きかけて洗い落とします。このときの脂は雑味が多いので流したほうが良いのだそう。 白焼・蒲焼の工程では、17個の炭火箱を使って炭火焼工程を取り入れています。「鰻はしっかり焼かないと美味しくない」と考え、鰻専門店で焼いたような仕上がりをめざしてラインに取り入れたそうです。 ●こだわりの4回タレ付け 白焼を終えた鰻は、7分30秒の蒸しを入れて蒲焼に仕上げます。タレを付けて焼く、付けて焼く工程を4回繰り返します。1~3回目のタレは「焼タレ(味付け)」、4回目の「化粧タレ」をして最後に軽く炙ったら完成です。このタレは30分ごとに温度・糖度を測定して味を均一化しています。タレに使う醤油は、木製の大きな樽で諸味を3年間かけてゆっくり醸造した「天然醸造 八本木樽醤油」です。焼くほどに香り立つおいしい醤油もこだわりポイントです。 ●こだわりの木樽醤油 最後に伺ったのは、大分県にある「フンドーキン醤油」さん。現在主流となっているステンレス製のほか、木樽製の醤油づくりにも30年ほど前から取り組まれています。このときから携わっている工場長の池辺 剛(いけべ つよし)さんにお話を伺いました。 こちらでは現在14本の木樽を持っていて、54万リットルも入る「世界一の木樽」としてギネスにも認定された木樽があり、取材陣一同驚きました!木樽からは、染み込んだ醤油の良い香りを感じることができました。 ●おいしい醤油は木樽から タレに使われている醤油は、「八本木樽」と呼ばれる日本一大きな醸造用木樽でつくられた醤油で、その数は8本あります。木樽は直径6m×高さ9mもの大きさで、これに合う木を探して樹齢400年以上のカナダ産ヒバを採用。木の樹齢と樽の寿命は比例すると言われており、できるだけ長寿のものを探したそうです。 ヒバには断熱性があり、屋外であっても夏は27~28℃、冬でも20℃前後で、酵母が活動するのに適した温度を保つことができます。 ●醤油づくりの道のり 木樽の最大の特徴は、出来上がった醤油がしょっぱくなくまろやかに感じることです。また、芳醇な醤油の香りは鰻との相性も抜群。温度調節機能が付いているステンレス製の樽とは異なり、木樽の仕込みは春先の年1回のみ。年間を通じてゆっくりと発酵熟成が進むことでまろやかな風味に仕上がります。自然の気候に委ねてつくるため手間はかかりますが、それだけおいしいものを届けたいという想いが現れていました。 醤油づくりは麹づくりと諸味の発酵管理が大変なことでもあり、一番の肝となるそうです。池辺さんも20年ほど経った頃に「やっと半人前」だと言われたそう。「醤油は人がつくっているように見えて、実は酵母・乳酸菌などの微生物がつくってくれている。だからそれらが働きやすい環境づくりが大事で、面白いところです。いつか自分の思う100点の醤油をつくりたいです。」と夢を語ってくださいました。 ●開発者からのコメント 今年の土用丑の日は7月30日(日)です。 是非この機会に「宮崎県産 南国すくすく鰻」をお召し上がりください! もちろん土用丑の日以外にも、頑張った日のご褒美や、お祝いの日のごちそうメニューとしてもおススメできる自慢の一品です。 各生産者さんのこだわりがたくさん詰まった美味しいうなぎを味わっていただけたらと思います。 ●商品情報 <商品名> 宮崎県産 三年熟成八本木樽醤油使用 南国すくすく鰻® 長焼(養殖)約140g <売価>2,280円(税込2,462円) <販売店舗>ベイシア店舗 <販売時期>通年 前半では、鰻の養殖に密着!こちらもぜひご覧ください。
潜入!あの商品のおいしさに迫る! ~りんご生産量日本一の青森県を訪ねて~
2022/12/22 00:00
当社で販売するこだわりの商品の“生産の現場”に伺ってレポートする「潜入!あの商品のおいしさに迫る!」。今回はりんごの生産量日本一を誇る青森県を訪ね、手塩に掛けて一つずつ大切にりんごを育てる農家さんの仕事や鮮度の良いおいしいりんごがお店に届くまでのこだわりを紹介します。 ◆日本の約6割のりんごを生産する青森県(令和3年) 今回は「りんご大国青森県」の津軽市でりんごを栽培する生産者さんにお話を伺いました。津軽地方は昼夜の寒暖差が大きいことから、りんご栽培にはもってこいの地域。実のしまった貯蔵性が高いりんごができます。青森県の中でも寒さが厳しい津軽地方のりんごは甘さも格別です。 取材に訪れた11月中旬は、秋から冬へ移り変わる、まさに本格的な寒さが到来した時期でした。夕方になると、吐く息が真っ白になる。紅葉の最盛期でもありました! ◆雪が降る中から始まるりんご栽培 お話を伺ったのは、株式会社津軽農園の棟方 健二さん。親子三代で80年近くりんごを中心に栽培し、現在はりんごの他に桃なども栽培されています。 りんご栽培は、まだ雪が降り積もる1月後半から始まります。りんごの出来栄えの7割を決める「枝切り」は、雪が降る最中にすることもあります。春になると、こだわりの天然由来の肥料をまいて本格的に栽培が動きだします。棟方さんのりんご畑は18ヘクタールあり、りんごの樹が約9,000本。収穫までの約10の栽培工程をりんご一つずつ、すべて手作業で管理します。 「大変なことも多いけど手をかけて、可愛がってあげないと、おいしいりんごは育たない。」と手塩にかけて育てるりんごへの熱い愛情を語ってくれました。 ◆りんごの「赤色」は生産者さんの努力の賜物 栽培工程で、特に印象的だった「玉まわし」。 太陽の光が実に当たるように、りんごの周りの葉っぱを取って実を回してむらなく色をつけます。りんごを回すという発想がなかったので、とても驚きました。それも手作業で一つずつ。あの赤色は生産者さんたちの努力の賜物なんだと、りんごの見方が変わりました。 ◆青森県のりんごが1日で14万箱も競りにかけられる!弘果市場 今回取材に訪れた弘果市場は、青森県で最もりんごが集まる市場です。りんごの競りのピークは11月中旬頃で、取材日は73,782箱が競りにかけられ、多い時は倍の14万箱に!3チームに分かれ、朝から競りを行っても15時くらいまでかかるそう。市場の中は辺り一面、箱に入ったりんごがずらり!大量のりんごが1日に動く様子を見た取材陣は、その光景に圧倒されました。その場で試食させていただいたりんごは、密がしっかり入って甘さと酸味のバランスが良くてとっても美味しかったです! 弘果のりんごの競りの様子を下記動画よりご覧いただけます↓
◆なんで一年中おいしいりんごが楽しめるの? 青森県では毎年秋にりんごを収穫した後、2種類の保存方法でりんごの鮮度管理を行っています。3月頃までに販売するりんごは普通冷蔵庫に、4月頃から販売するものは「CA冷蔵庫」に貯蔵されます。りんごは収穫後も呼吸を続けており、呼吸による過熟を最低限まで抑え鮮度を保つのが特殊冷蔵庫の「CA冷蔵庫」。この技術があることで、1年中新鮮でおいしいりんごを楽しむことができます。 ◆「今年のりんごはおいしい!」とお客様に実感していただくために 当社の仕入れを担当している仲卸さんは「産地・重さ・色目」を見て仕入れるそう。今年最初に食べるりんごは、その年のりんごの印象を決める大事な一口。「今年のりんごはおいしい!」と感じてもらえれば、「また青森のりんごを買いたいと思ってもらえるので、卸す時期もおいしいタイミングを見極めています。」と教えてくれました。 「新鮮さに真心こめて」の社のスローガンをまさに体現されているなと感じたこだわりでした。 ◆小さな傷も見逃さない!こだわりの3回目視 仕入れたりんごは、まず人の目で傷や状態を確認します。そしてカラーセンサーで、大きさ・硬度・糖度を測り、仕分け、ここでも目視で確認。その後、段ボールへの梱包や袋詰めの際にも目視でチェックすることで、品質の高いりんごをお客様にお届けしています。 ◆生産者さん直伝!~おいしいりんごの見分け方~ ・縞模様が飴色のりんごを選ぶべし ・いぼり(表面の小さなボコボコ)は完熟の印 ・茎が太いりんご(栄養をたっぷり吸っている証) ◆青果バイヤーからのコメント りんごの産地は青森県をはじめ、長野県や山形県など様々あります。その中でも 当社は「青森県の生産者×仲卸×市場」と多くの方々と長い年月をかけ、お客様に より美味しいものをお届けできるよう切磋琢磨しております。時期によって様々な 品種もございますので、ぜひ、その時の旬の味をお楽しみください。
潜入!あの商品のおいしさに迫る! ~こだわりのみかんの生産現場を訪ねて~
2022/12/22 00:00
当社で販売するこだわりの商品の“生産の現場”に伺ってレポートする「潜入!あの商品のおいしさに迫る」。今回はみかんの名産地である愛媛県を訪ね、愛情を込めてみかんを育てる農家さんの仕事や鮮度の良いおいしいみかんがお店に届くまでのこだわりを紹介します。 ◆みかんの名産地を訪ねて 赤い段ボールの箱が目印の「赤箱みかん」、皆さんもご存じでしょうか?今回はその赤箱みかんの産地である愛媛県宇和島市吉田町立間地区へ取材に行きました。瀬戸内海と太平洋沿岸の中間に位置する宇和島市は、温暖な気温かつ年間の降水量も少なめで、果物づくりに適した気候です。取材に訪れた日は快晴で、青空ときれいな海にみかんのオレンジ色が映えてとてもきれいでした。また、立間地区は愛媛みかんの発祥の地なんだとか。そんな宇和島市の赤箱みかんの魅力に迫りました。 選果場に届くまでのこだわりの管理 お話を伺ったのは、味楽(みらく)共選の濱本富士夫(はまもと ふじお)さん。「ここで作った南柑20号(温州みかんの代表格の品種)は力を入れているから自信を持っています」と濱本さん。 特に力を入れているのは樹のこまめな管理。3つの見極めポイントがあります。まずは、南向きで太陽の光がいっぱい当たる斜面と標高の条件がそろった“みかんの栽培に良い場所”。「良い場所には良いものがなる」。そのために樹を別の場所へ移植することもあります。 次に、樹になる実の大きさや量。実がなりすぎると樹が疲れてしまい、来年の生育の負担となってしまうんだとか。毎年収穫できるように工夫をしています。 また、樹齢も重要です。若い樹は毎年実がなる一方で実の皮が厚く、高齢の樹は美味しい実ができる一方で管理が大変なんだそう。「みかんは人間と同じ生き物ですよ」と濱本さん。 みかんの樹一本一本に向き合う農家さんの真摯な姿勢を感じました。 選果場の取り組み 味楽共選の選果場では1日に120tものみかんが選別され、1万2000ケースのみかん箱が出荷されています。人の目で選別した後に光センサーで糖度と酸度を測り、最後に箱へ入れる前にもう一度人の目でチェックします。農家さんが愛情を込めて作ってくれたみかんを、お客様においしい状態でお届けするために、選果にも抜かりはありません。 おいしいみかんの見分け方 ・色が濃くて表面のつぶつぶ(油胞)がこまかいもの ・ヘタが黄色く軸が細いもの ・丸い形よりも平たい形のもの 「美味しいものを届けるのは当然のこと、当たり前」 美味しいみかんを届けるために農家さん、選果場の皆さん、仲卸の業者さん、全員のチームワークが大切と語ってくれた濱本さん。多くの人の想いが詰まった宇和島市のみかん、ぜひご賞味ください。 編集後記 みかん畑への道は車がギリギリ一台通れるくらいの道幅、そして急斜面です。収穫中は命綱をつけないんですか?と思わず聞いてしまうほど。農家の皆さんは写真のように地下足袋を履いて滑らないように対策をしています。 私たちがみかんを食べられるのは農家さんたちのおかげなんだなと改めて思いました。
潜入!あの商品のおいしさに迫る!~栃木県の野菜の生産現場を訪ねて~
2022/11/24 00:00
当社で販売するこだわりの商品の“生産の現場”に伺ってレポートする「潜入!あの商品のおいしさに迫る!」今回は当社の栃木県内の店舗を中心に地場野菜を納入いただいている生産者団体「元気村」とその生産者さんにお話を伺い、新鮮な野菜がお店に届くまでのこだわりを紹介します。 ◆栃木県内のベイシアに野菜を納入「元気村」 当社の栃木県内の店舗に新鮮な採れたて地場野菜を納入いただいている生産者団体の「元気村」。約300名の生産者さんが所属し、ベイシア各店でこだわりのおいしい野菜を販売しています。また時期によって各地で野菜の収穫状況が異なる中で多くの店舗に新鮮な野菜を流通できるよう、毎日早朝にベイシア烏山店に多くの生産者さんが野菜を持ち寄り各店への振り分け・流通を行っています。 そんな「元気村」の代表を務める郡司さんは非常に勉強家な農業のエキスパート。生産者さんたちを集めて月1回程度勉強会を開催するなど、農業の知識を向上させより良い農産物づくりを行っています。 今回は「元気村」所属の生産者さんの栽培の現場を訪ねてお話を伺いました。 ◆甘くて柔らかい白菜を栽培 古山農園さん 宇都宮市の古山農園では白菜やねぎ、ほうれん草、きゅうり、とうもろこしを栽培。特にこれから本格的に出荷時期を迎える白菜は、甘くて柔らかいと周囲からの評判が良いそう。甘さのポイントは有機肥料を混ぜた堆肥。アミノ酸などのミネラル系の肥料を入れることで、白菜独特の苦みが出ず、甘さが引き立つそうです。また白菜に栄養が均等に行き届くように丁寧に畑づくりを行っています。 ◆甘さ引き立つ野菜を育てる益子さん 那珂川町でキャベツ、白菜、ブロッコリー、ほうれん草などを栽培している益子誠さん。益子さんはそれぞれの野菜の品種選びを重視し、畑に合った品種を見極めて栽培しています。これからより寒くなり、キャベツや白菜、ブロッコリー、ほうれん草などは甘味が増していきます。白菜は甘さに加え、大きさと肉厚さが特徴。種まきや定植の時期を見定めているからこそ大きく育つのだとか。ロール白菜がおすすめ、と益子さん。餃子にも白菜を入れているそうです。 1月末に収穫期を迎えるブロッコリーは種まきから収穫まで160日と通常より長丁場で、寒い真冬にも適応した品種を栽培しています。とにかく大きくて、実も軸も天ぷらにして食べるとおいしいそう。これからの時期、こだわりの冬野菜が楽しみです。 ◆みずみずしいきゅうりを栽培 くにやす農園さん 那珂川町できゅうりやトマトを栽培しているくにやす農園。もみがらや米ぬか、ミネラルの入った有機肥料にこだわり栽培を行っています。 きゅうりはほとんどが水でできていることから水やりが非常に大切で、毎日こまめに少しずつあげているそう。きゅうりはデリケートな植物で、葉を活き活きさせることがポイント。葉面散布を行ったり、葉の様子を見ながら水やりや肥料のタイミングを見極めています。ひとつ一つのことを丁寧に行っているからこそ瑞々しいおいしいきゅうりが採れます。 ◆甘いトマトを栽培 高野さん 那珂川町でトマト栽培を行っている高野寛さん。お客様からもおいしいと大好評で糖度が高く甘いトマトなのだとか。栽培時には接ぎ木をせず自根にこだわって栽培しその品種の味がダイレクトに出るようにしているそうです。土を使わず肥料を水に溶かした液で栽培する溶液栽培を行っています。 換気や肥料、暖房などは、季節ごとの気候に合わせて、全て機械で自動化されており、その分誘引(植物の茎や枝を支柱などに固定して形を整える作業)や葉の手入れなど丁寧な作業を行っています。 ◆珍しい野菜を栽培 poirequ+さん 那珂川町の「poirequ+(ポアロプラス)」では有機肥料にこだわりながら他店ではなかなか目にしない珍しい野菜を栽培しています。特徴とおすすめの食べ方を教えていただきました。 ・ケールとブロッコリーを掛け合わせたアレッタは甘くて周囲にも好評で、生でも炒めてもおすすめ ・茎の長いカリフラワーのカリフローレ、茎の長いブロッコリーのブロフローレは甘さが特徴で、茹でたりグラタン・シチューにしたり、豚バラ巻きや漬物など幅広く楽しめる ・世界一美しい野菜と言われるロマネスコは見た目とゴリゴリした食感がユニークで、シンプルに茹でて食べるのがおすすめ その他、イタリア野菜のラディッキオや、かぶの一種のもものすけなど初めて見る野菜がたくさん。売場に色んな野菜が並ぶのが楽しみです。 ◆インパクトのある大きな野菜を栽培 山口農園 黒磯でブロッコリーやカリフラワー、キャベツなどを栽培している山口農園。インパクトのある大きな野菜を育てており、お客様からも大人気です。いい野菜を作るためにはしっかりした株、葉も大きいものを作ることが大切と語ります。ミネラルが豊富な肥料や植え方の配置の工夫なども行いながら大きな野菜を作っています。 山口さんのブロッコリーは大きくて食べ応えが満点。野菜の食べ方を知っている方は茎までこだわって召し上がるため、長く太い茎のブロッコリーになるよう育て、茎が付いたまま販売します。ブロッコリーは茹でて、鰹節&醤油や、醤油&しょうがで和えたりするのがおすすめだそう。 カリフラワーは加熱してもこりこりとした食感が楽しめ、ベーコンとオリーブオイルで炒めるのがおすすめと教えてくださいました。 ◆こだわりあふれる生産者さんたちの野菜が大田原店に集う こだわりの野菜が11月23日(水)グランドオープンのベイシアフーズパーク大田原店にも多く集います。新鮮な栃木県の野菜「下野野菜」がそろいます。大田原店で採れたて野菜をお楽しみください。
潜入!あの商品のおいしさに迫る! ~こだわりの梅の生産現場を訪ねて~
2022/06/16 00:00
当社で販売するこだわりの商品の“生産の現場”に伺ってレポートする「潜入!あの商品のおいしさに迫る!」。今回は梅の名産地である奈良県と和歌山県を訪ね、愛情を込めて梅を育てる農家さんの仕事や鮮度の良いおいしい梅がお店に届くまでのこだわりを紹介します。 ◆梅の名産地を訪ねて 当社ではお客様に旬の梅のおいしさを存分に楽しんでいただきたいという想いから、収穫時期の異なる品種や産地をリレーしながら仕入れを行っています。今回の取材では、6月上旬頃に南高梅・古城梅を仕入れる和歌山県、6月中旬から下旬にかけて南高梅を仕入れる奈良県を訪れました。 まずは奈良県西吉野の産地へ赴き、現地の生産者さんにお話を伺いました。この地域は、梅と柿の生産が盛んな地域。天気はあいにくの雨でしたが、雨露に濡れた梅の実と葉っぱの鮮やかな緑が映えて、非常に趣深い風景でした。 ◆奈良県で伺った細やかで丁寧な梅栽培 お話を伺ったのは、梅栽培20年以上、西吉野梅部会部会長の岡田正俊さん。穏やかな笑顔で優しい雰囲気がとても印象的な方です。 梅栽培の1年は剪定から。12月~1月にかけて丁寧に木を切ります。岡田さんは、低樹法栽培にこだわり、伸びすぎないように高さを調整しています。それにより日当たりが調整でき、収穫時の作業もしやすいのだとか。その後は2月と5月に肥料を与え、収穫後の9月も含めると年3回に。肥料は有機肥料を使用しています。また水が実の大きさを左右するため、天候や梅の様子を見て、水やりの量やタイミングを緻密に測っているそうです。 そうして6月の収穫を迎え、一つ一つ、手もぎで収穫します。実の熟度や大きさを見極めながら、1本の木から2~3回に分けて収穫します。 梅は自然に木になる、と思っていた私。細やかで丁寧な栽培にとても驚き、職人のなせる業に感服しました。 ◆「思い通りにいかない」大変さとやりがい 「毎年思い通りにいかないから難しい」と話す岡田さん。雨が欲しいときに降らない、日照りで実が焼けてしまう、授粉が思うようにできないなど、自然が相手では思い通りになりません。先祖代々築いてきた技術を大切にしながら、土や苗木、剪定など、あらゆる面でおいしい梅を追求し続けている岡田さんの情熱には驚かされました。 岡田さんは「大変だけど思い通りにいかないところにやりがいを感じる」と言います。さらに「いい梅で消費者の人に喜んでもらいたい」と話す岡田さんの笑顔と温かなまなざしからは、梅栽培への情熱と同時に、お客様への愛情を感じました。 岡田さんのこだわりの詰まった梅をこれからも楽しみに待っています。 ◆日本一の梅の産地 和歌山県 続いて訪れたのは、梅の収穫量日本一の和歌山県。昭和40年から令和3年まで57年連続全国第1位で、現在、日本全体の収穫量の約7割を占めています。その和歌山県の中でも、生産量日本一、南高梅発祥の地として有名な「みなべ町」へ。この地域で行われている農業システムは世界農業遺産にも認定され、梅が文化として根付いています。 取材で訪れた5月末は木々に色づいた完熟梅がたくさんなっていました。青空に緑の葉と黄色・オレンジに彩られた梅の実が映えて、とてもきれいです。みなべ町は平地が少なく、梅林の多くは山の斜面にあります。収穫量が多すぎるために、地形を活かした収穫方法にもひと工夫。通常、完熟してから収穫する南高梅は、落下すると傷がついてしまいますが、斜面にネットを張ることで、落下しても傷がつきにくく、見た目にもきれいな梅を効率的に収穫できるそう。 しかしどこを見ても梅林ばかり、みなべ町恐るべしです。 ◆見た目・品質にこだわる梅 ベイシアで取り扱っている和歌山県産の梅を集荷、選別している柏木さん。各農家さんで収穫された梅はサイズの大小があるため、柏木さんの選果場では集荷した梅を再度機械にかけて改めてサイズごとに選別し、箱詰めをしています。選別する目は真剣そのもの。梅は見た目のきれいさや質感が非常に重要なので、まさにいいものだけ仕入れるプロの仕事です。 またお客様に満足いただくには何より品質が重要です。キズの有無や色を見ることはもちろんのこと、何より鮮度が命となる梅。色づき方で用途も変わるため収穫後の温度管理には細心の注意を払います。箱詰めの工程ではベイシアで販売している梅ならではの取り組みも。鮮度劣化を防ぐ効果のある専用の内袋を使用し、鮮度を保った状態で店舗まで届ける工夫をしています。 ◆輸送にもひと工夫 問屋さん、配送業者さんにご協力いただきながら、輸送時にも鮮度管理の工夫を凝らしています。品質・鮮度を維持できるよう電場機能付きのトラックで輸送。水分子を微細振動させて、0℃~-4℃の氷点下領域でも凍結しない環境をつくることにより、食材の酸化や菌の増殖を防ぎ新鮮な状態のまま保存できます。 産地から鮮度そのままに店頭まで運ぶための技術も導入し、お客様に良い梅をお届けしています。 梅産業の可能性の広がりを実感 今回の取材を通して、梅はこれからさらに可能性の広がる食材であると実感しました。収穫シーズンは短いものの、その短期間で多くの人々を引き付ける魅力と盛り上がりのある食材です。梅干しやジュースの他にも可能性を広げる楽しみ方も何かあるのではないか、と柏木さん。「梅仕事」を楽しんできた世代はもとより、若い世代の方たちにも受け入れられる商品がさらに増えていくといいな、と取材陣一同、これからの可能性に想いを馳せました。ふんわりとした甘さ、遠くに感じる酸味が合わさった梅の香りに包まれ、幸せいっぱいの取材でした。たくさんのお客様にベイシアで仕入れているこだわりの梅を使って「梅仕事」を楽しんでほしい、そして梅の魅力を知ってほしいと改めて感じ、帰路につきました。 ◆梅生産の現場で聞いたおすすめの「梅仕事」 南高梅のおすすめは、完熟梅であれば梅干しや梅ジャム、とろっとした梅ジュース、梅酒など。青梅は梅酒や梅ジュースといった用途で使い分けるのがおすすめ。お好きな用途でお楽しみください。 梅酒を作るなら定番はホワイトリカー。さらにはブランデー・泡盛まで幅広く楽しめます。冷凍すると生梅よりも短い期間で出来上がります。1年かけて楽しむという方もいれば、2~3年かけて熟成させてとろっとした味わいを楽しむ方も。研究しながら楽しんでみてはいかがでしょうか。 ◆編集後記 かく言う私は、恥ずかしながらこれまで「梅仕事」に触れたことがありませんでした。今回、実際に産地に赴き、梅の生産の現場に関わる方々のお話を聞く中で、すっかり梅の奥深さに魅了された私。早速、やってみました「梅仕事」。へたを取ってしっかり洗って、瓶に氷砂糖とブランデーを入れて。あとは時折、揺らしながらじっくり寝かせて完成を待つのみ。難しいと思っていたけど、意外と手軽だと実感。そして何よりも出来上がりが楽しみすぎて何度も覗いてしまう私・・・。ただいま梅冷凍中なので、暑い夏の到来に向けて、梅ビネガー、梅ジュースと一気に挑戦してみます。