どうしてひな祭りにはハマグリを食べるのでしょう?
2024/02/28 00:00
もうすぐひなまつり。女の子の健やかな成長や幸せを祈ってお祝いする日ですね。今週もベイシアから旬のおいしい話題をお届けします。 ひな祭りにはハマグリがつきものとされていますが、それはどうしてでしょう? ハマグリは、対になっている貝殻以外はぴったりと合いません。そのことから、一生添い遂げる伴侶に巡り会えるように、という願いが込められているそうです。 ハマグリは平安時代には貴族たちが「貝合わせ」という遊びに使っていました。貝合わせは、貝の内側に美しい絵が描かれたハマグリを裏返して並べ、同じ絵のもの同士を合わせるという遊びです。トランプの神経衰弱のような遊び方ですね。婚礼の祝いの席にもハマグリの吸い物が供されますが、これは江戸時代に八代将軍徳川吉宗が発案したのだそうです。ハマグリが古くから縁起の良いものとされていたからでしょう。 また、3月3日は「上巳(じょうし)の節句」であり「桃の節句」とも呼ばれます。節句とは季節の変わり目となる日にお供えやお祓いをする古代中国の風習が由来とされています。平安時代に宮中の行事となり、江戸時代には幕府によって五節句が祝祭日になりました。ちなみに上巳の節句のほかに、人日(じんじつ:1月7日)、端午(たんご:5月5日)、七夕(しちせき: 7月 7日)、重陽(ちょうよう:9月9日)があり、五節句と呼ばれています。 そして、上巳の節句ごろには、古くから「磯遊び」をするという風習があり、その日は家族や仲間と磯に出て潮干狩りや飲食を楽しんだそうです。潮干狩りといえば、ハマグリやアサリなどの貝がおなじみですね。 こうして、さまざまな風習がまとまって、ハマグリはひな祭りに欠かせない食べ物の一つになったようです。 この時期、旬を迎えたハマグリは、身がふっくらして旨みもたっぷり。お吸い物や酒蒸し、焼き貝など昔ながらのシンプルな調理法でおいしさを存分に味わいたいものです。
お酢を手軽においしく、毎日の食事に取り入れるには?
2024/02/21 00:00
気候が暖かくなるにつれて、濃厚で温かい料理だけでなく、さっぱりとした味わいも欲しくなってきますね。今週もベイシアから旬のおいしい話題をお届けします。 さっぱりとした味わいといえば、五味の中では酸味でしょう。食物の五味とは、甘味・酸味・辛味・苦味・塩味の5つを指します。酸味のある調味料の中で最も身近な「酢」は、健康にも美容にも良いとされています。 とはいえ、「酸っぱさが気になる」「上手な取り入れ方がわからない」という方も多いのでは。 そこで今回は、毎日の食卓に酢を取り入れるヒントをご紹介しましょう。 一般的に手に入りやすい酢は、穀物酢、米酢、リンゴ酢、黒酢。その他にも、バルサミコ酢、ぶどう酢、ワインビネガーなど、さまざまな原料を使った酢がありますが、家庭で常備している酢といえば、穀物酢、米酢でしょうか。 穀物酢は、小麦やとうもろこしなどの穀物を原材料に醸造した酢。クセが少なく酸味はしっかり。穀物酢で作るメニューといえば、鶏肉や豚肉をさっぱり煮る料理がおなじみですが、炒め物に使うのもオススメです。しょうゆやオイスターソースで炒めるときに酢を加えると、すっきりした味わいに仕上がります。 米酢は、米の旨みがそのまま生きている酢。ほんのり甘みがあり、まろやかな酸味です。米酢の味わいを生かすなら、加熱しない酢の物や寿司酢、ドレッシングなどが適しています。ポテトサラダを作る時にマヨネーズに酢を加えると混ぜやすく、さっぱりと飽きないポテトサラダの出来上がり。また、卵の黄身を使って作る和食のソース「黄身酢」は、マヨネーズよりもちょっと大人の味わいに仕上げたい時におすすめです。 毎日の料理に少しでも酸味が加わることで、食が進む効果も期待できます。いつものメニューに隠し味でお酢を使ってみてはいかがでしょう。 参考: ミツカンウェブサイト 日本自然発酵ウェブサイト
バレンタインデーの主役?!日本のチョコレート物語
2024/02/14 00:00
2月14日はバレンタインデー。日本ではチョコレートが大注目されるイベントですね。今週もベイシアから旬のおいしい話題をお届けします。 チョコレートは世界中で愛されているお菓子。日本だけでもチョコレートのメーカーは400以上あるそうです。私たちにとって身近な日本のチョコレートは、はたしてどんな歴史をたどってきたのでしょうか。 日本にチョコレートが入ってきたのは江戸時代のこと。同じ頃に伝えられたお菓子にはビスケット、タルト、カステラなどがあります。当時のチョコレートは、今でいうとココアやチョコレートドリンクのような飲み物だったようです。 やがて日本でもチョコレートを製造し、販売するようになりました。日本で最初にチョコレートが作られたのは明治時代のこと。一方でヨーロッパから輸入されたチョコレートは贅沢品としてごく一部の人たちが楽しむものでした。 明治30年代(1897~)にチョコレート作りの技術と機械が持ち込まれ、日本のチョコレートは大きく発展を遂げ、国産の板チョコが販売されるようになりました。 大正時代になって、いよいよ日本でチョコレートの一環製造が開始されました。それまでは、輸入した原料チョコレートを加工するだけだったのです。チョコレートは、カカオ豆を発酵、乾燥、焙煎、磨砕してカカオマスというカカオ100%の原料を作り、さらにミルクや砂糖、ココアバターなどを混ぜ合わせて固めることで出来上がります。 国内で一から製造できるようになったことでチョコレートは一般に普及し、昭和初期には日本のメーカーが次々とチョコレートを売り出すようになりました。 そして昭和33年(1966)2月、日本のチョコレートメーカーが初めて「バレンタインセール」として百貨店でチョコレートを販売しました。やがてバレンタインデーは「チョコレートを贈る日」として全国に広まり、今日まで続いているというわけです。 参考: 「チョコレート物語」吉田菊次郎(中央公論社) 「チョコレート百科」森永製菓編(東洋経済新報社) 日本チョコレート工業協同組合ウェブサイト 日本チョコレート・ココア協会ウェブサイト
ブイヤベースに欠かせない「アイオリソース」とは?
2024/02/07 00:00
立春を過ぎてもまだまだ寒く、温かい料理が恋しい日々が続きますね。今週もベイシアから旬のおいしい話題をお届けします。 今の時期に旬を迎える、サワラやタイ、ヒラメ、カサゴなど、新鮮な魚が手に入ったら、ブイヤベースを作ってみるのはいかがでしょう。 ブイヤベースは、南フランスのプロヴァンス地方の料理として知られています。もともとは漁師たちが新鮮な魚を使って作っていたシンプルな鍋料理。その名の通り、調理は「沸騰させ(bouillir)」てから火を「弱くする(=baisser)」と簡単です。 現地では、魚をマリネしてから煮込む方法と、生のまま使う方法と、2種類あるそうです。マリネにするときには、トマト、玉ねぎ、ピーマン、にんにく、ハーブ、オリーブオイルの漬け汁に魚をつけます。 そして、マリネと同様の材料でスープを作り、ジャガイモを入れ、沸騰したところへ魚を入れ、再び沸騰したら火を弱めます。料理名の通り、沸騰したら火を弱めるわけです。 出来上がったブイヤベースは、最初に魚の旨みたっぷりのスープを飲み、それから魚とジャガイモをいただきます。 ところで、ブイヤベースを食べるときに欠かせないのが「アイオリ(アイヨリ)ソース」です。アイオリソースは、にんにく、卵黄、オリーブオイル、レモンの搾り汁、塩・こしょうで作るマヨネーズに似たソース。これらの材料を使えば、もちろんおいしく出来ますが、マヨネーズを使えば手軽にアイオリ風のソースを作れます。 マヨネーズにおろしにんにく、オリーブオイル、レモン汁、牛乳少々を混ぜ、塩・こしょうで味を調えるだけ。スパイシーな味わいが好きな人は、唐辛子を入れてもOK。アイオリソースは、ブイヤベースのスープに入れても、具材につけて食べても。また、フライドポテトにつける、サラダに使うなど、いつもと違う味わいを試したいときに、作ってみてはいかがでしょう。 参考: 「南仏プロヴァンスの食卓」レスリー・フォーブス著、小梨直 訳 「南仏プロヴァンス料理紀行」ジュリアン・モア著、角田俊/パトリス・ジュリアン監訳・注