もうすぐひなまつり。女の子の健やかな成長や幸せを祈ってお祝いする日ですね。今週もベイシアから旬のおいしい話題をお届けします。

ひな祭りにはハマグリがつきものとされていますが、それはどうしてでしょう? ハマグリは、対になっている貝殻以外はぴったりと合いません。そのことから、一生添い遂げる伴侶に巡り会えるように、という願いが込められているそうです。

ハマグリは平安時代には貴族たちが「貝合わせ」という遊びに使っていました。貝合わせは、貝の内側に美しい絵が描かれたハマグリを裏返して並べ、同じ絵のもの同士を合わせるという遊びです。トランプの神経衰弱のような遊び方ですね。婚礼の祝いの席にもハマグリの吸い物が供されますが、これは江戸時代に八代将軍徳川吉宗が発案したのだそうです。ハマグリが古くから縁起の良いものとされていたからでしょう。
また、3月3日は「上巳(じょうし)の節句」であり「桃の節句」とも呼ばれます。節句とは季節の変わり目となる日にお供えやお祓いをする古代中国の風習が由来とされています。平安時代に宮中の行事となり、江戸時代には幕府によって五節句が祝祭日になりました。ちなみに上巳の節句のほかに、人日(じんじつ:1月7日)、端午(たんご:5月5日)、七夕(しちせき: 7月 7日)、重陽(ちょうよう:9月9日)があり、五節句と呼ばれています。
そして、上巳の節句ごろには、古くから「磯遊び」をするという風習があり、その日は家族や仲間と磯に出て潮干狩りや飲食を楽しんだそうです。潮干狩りといえば、ハマグリやアサリなどの貝がおなじみですね。
こうして、さまざまな風習がまとまって、ハマグリはひな祭りに欠かせない食べ物の一つになったようです。
この時期、旬を迎えたハマグリは、身がふっくらして旨みもたっぷり。お吸い物や酒蒸し、焼き貝など昔ながらのシンプルな調理法でおいしさを存分に味わいたいものです。